ショパン ワルツ第9番変イ長調作品69-1「別れのワルツ」
クラシック曲 Advent Calendar 2015 6日目の記事。ショパンのワルツ第9番変イ長調作品69-1、通称「別れのワルツ」について書きます。
(Henryk Siemiradzki: Chopin concert [Public Domain])
ワルツ第9番変イ長調作品69-1
通称「別れのワルツ」として有名なワルツ第9番は没後に出版されたこと及びこの曲を捧げたマリア・ヴォジンスカと破局したことから後付けで「別れ」のイメージがついた曲。 実際にはマリアとの交際中に作曲されており、25歳のショパンの心情に「別れ」はないであろう。
この曲をマリアに献呈したのは滞在先ドレスデンから帰路につく場面だが、これは別れというよりも告白であるため、「告別ワルツ」ではなく「告白ワルツ」とすべきという人もいる。
その翌年1836年には10年以上に渡って関係を持つことになるジョルジュ・サンドと出会うことを考えると、後付けの解釈としてショパン若き日の淡い思い出として捉えることができるのではと思う。
自分とワルツ9番についていうと、ピアノを習っていた頃、最初に教えてもらったショパンの曲がこれ。とはいえ、当時はこの曲の良さは分からず。ゆったりしすぎていて面白みにかけると感じていたり、背景知識の勉強もしなかったのでなぜこの曲が「別れ」なんだろうと感じながら13連符の早弾きに熱心だった苦い思い出が。
じっくり聴くとドレスデンで家族そしてマリアと会いリラックスした中での優雅さ、25歳の感傷的な心情、ロンド形式の中に現れる転調と旋律に遊び心を感じられて味わいのある曲。そのことに自分が気付くのは暫く後になってからであったが。
演奏1: Urtext Rubinstein
ショパンのスタンダードということでまずはルービンシュタイン。一般的なフォンタナ版ではなく原曲版での演奏。
演奏2: Valentina Lisitsa
YouTubeから人気を博したヴァレンティーナ・リシッツァ。スピード感溢れる演奏。
演奏3: Vladimir Ashkenazy
最後はアシュケナージ。優雅さが全面に出ている。
東京とまでいかないまでもバンクーバーでももう少しピアニストの演奏聴く機会増えればなあ…