大塚国際美術館 訪問記
(Image credit: 大塚国際美術館 - 663highland)
雑誌の美術館特集では前から知っていたものの、展示品はレプリカか…と思いそこまで関心を持たなかった大塚国際美術館。 最初に行ってみたいと思ったのは、ちきりんの日記“日本で一番すごい美術館”を読んでから。
頻繁に旅行して本物の絵画を見ているちきりん氏が
こういうのを「ニセモノ」と呼ぶ人もいるのかもしれません。ちきりんは多くの海外の美術館を廻っているので、ここにある名画の多くを実際に観ています。それでもこの美術館の存在意義は非常に大きいと思いました。(中略)四国はもちろん関西圏も含め、お近くの人ならぜひ一度は行ってみる価値のある美術館だと思うし、なにより「膨大な資産を得た創業家一族のお金の使い方」として、これほど素敵なお金の使い方をちきりんは初めて見ました。
とまで言う美術館はどのようなものだろうなと思ったのがきっかけ。
実際に行ってみての感想としては、もう一日滞在したくなるほどの魅力があり、大塚グループの社会・教育事業としての想いや技術力が盛り込まれた素晴らしい美術館だった。 レプリカとはいえ、陶板は絵の具の盛上り等もある程度は再現しており問題なく鑑賞できる。世界各地の名画1000点以上をあれだけ身近で楽しめる美術館は他にないだろう。
写真撮影が許可されているところも陶板ならでは(ストロボ、三脚の使用を除く)。
作品ガイド
ここではロボットと解説員による定時での作品ガイドが行われており、知識がなくても十分に学んで帰ることが可能。もちろん作品数が多いため代表的な作品のピックアップになるもののそれでも1-2時間はじっくりと解説を聞きながら回れます1。
(大塚アートくん。本来は巡回警備用らしい)
ガイドロボット:大塚アートくんの解説はB3Fのみ。
礼拝堂
大塚国際美術館の作品として最も有名であろうシスティーナ礼拝堂とスクロヴェーニ礼拝堂。平日だったためか鑑賞客も少なく荘厳な雰囲気を静かに味わうことができた。
(システィーナ礼拝堂)
(スクロヴェーニ礼拝堂)
システィーナ礼拝堂についてはB2F/B1Fの両方から見ることが可能。
文化財記録・保存の観点から
陶板画は災害や時間の経過による劣化に強いらしく2000年後もそのままの状態を保てるとのこと。最後の晩餐に見られるような作品修復前後の比較や、消失した作品の再現は文化財の記録という観点からも素晴らしいと思う。
(最後の晩餐 修復前)
(最後の晩餐 修復後)
(ゴッホ 幻のひまわり)
屋外スペース
屋外スペースにあるモネの大睡蓮。経年劣化に強い陶板画ならではの展示方法。
(モネの大睡蓮)
潮の匂いが気持ちよい。
(Cafe de Giverny)
睡蓮の池を眺めながら軽食やデザートが楽しめる。こことは別に1階別館にはレストランあり。
他作品など
(ゲルニカ)
(1Fテーマ展示)
(トイレ内の各所にも小型の陶板)
(B2Fルネサンス~バロック)
(2F現代 難しい…)
1000点を超える作品数に加え、美術館自体も地上2階・地下3階、鑑賞ルート約4kmと非常に広いためじっくり鑑賞したいなら2日はほしいところ。実際、自分は朝10時から17時までいたものの全てをゆっくり鑑賞することはできず。鳴門駅前からバスで20分程度なので鳴門駅付近に宿を取れば2日間でも苦にはならないはず。
入館料3,240円(2015/4時点)は高いですがその価値は十分にある美術館でした。
その他
美術館から鳴門大橋まで歩いても15-20分程度なので途中で休憩も兼ねてそちらへ行くのもあり。当日に限り再入館可能。
(大塚国際美術館 庭園前から鳴門大橋へ)
(瀬戸内海と鳴門大橋)
大塚国際美術館
徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
http://www.o-museum.or.jp/
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ガイドロボット大塚アートくんは2015年7月に引退したとのこと。 ↩