ケントナガノ / ダニール・トリフォノフ

ケントナガノ / ダニール・トリフォノフ

今更ですが2016年3月8日にモントリオールで行われたケントナガノ指揮モントリオール交響楽団 / ダニール・トリフォノフ (ピアノ) の感想とプロコフィエフ ピアノ協奏曲3番ハ長調 作品26についての記事です。

コンサート

モントリオール旅行の予定とオーケストラの公演がタイミングよく被っていたので予約。1ヶ月前の段階で最後尾が5席空いているだけの状態でした。

コンサートホール

Maison symphonique de Montréal

モントリオール響の本拠地Maison symphonique de Montréalは2011年にできたばかりで木の暖かみとモダンアートの雰囲気を感じさせる内装。このホールがある周辺はアート関連の施設やオブジェクトも多く、駅からホールまで歩く中でも芸術が街に溶け込んでる様子が垣間見れて楽しかったです。

曲目

  • Debussy, Jeux
  • Prokofiev, Piano Concerto no. 3 in C major, op. 26
  • Stravinsky, The Rite of Spring

どの曲も繊細な響きと安定性があり満足だったのですが、やはり目玉はチャイコフスキー国際コンクール覇者のダニール・トリフォノフ氏。2011年に東京であったショパンコンクール入賞者コンサートで一回生演奏を聴いた覚えがあります。

オケはもちろんのことホールの音響も素晴らしく3番出だしのクラリネット独奏が最後尾にもはっきりと伝わってきて期待感が高まる中でテンポよく疾リ出すピアノ独奏。疾走感だけではなく抒情的な表現もしっかりとしており、第一楽章が終わった直後には拍手喝采。モントリオールでこれだけの反応を得られる演奏を聴けて幸運でした。

また、ケントナガノ氏もその後の指揮、そして春の祭典まで冷静かつ熱意を込めた指揮をされており、最後まで素晴らしいコンサートでした。

プロコフィエフ ピアノ協奏曲3番ハ長調 作品26

プロコフィエフのピアノ協奏曲の中でも最も演奏される機会が多く、ピアノコンクールのファイナルでは一人は演奏している方がいると思います。クラリネットの静かな独奏から始まり絃楽器・木管の合奏、そして疾走感溢れるピアノへと繋がっていきます。ゆったりとしたオケとピアノのリズミカルな掛け合い、スローテンポの抒情性が全体としてどこか皮肉的でウィットの効いた演出に聴こえる不思議な作品。

この曲の名盤といえばクラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / マルタ・アルゲリッチ。

また最近のものだとYuja Wangの力強い演奏も好きです。