シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品54とトロント交響楽団
ロイ・トムソン・ホール
2017年5月4日にトロントで行われたピーター・ウンジャン指揮トロント交響楽団 / ヤン・リシエツキ (ピアノ) の感想とシューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品54についての記事です。
コンサート
普段住んでいるバンクーバーのバンクーバー響、前々回のモントリオール響、前回のNYフィルに続き北米のオーケストラ4つ目。日本だと小澤征爾氏が音楽監督をしていたことでも有名なトロント響ですが、シューマン・ピアノ協奏曲が聴けるということでトロント旅行ついでにオケを聴きに行ってきました。
コンサートホール
ロイ・トムソン・ホール外観 (写真右)
トロント響の本拠地、ロイ・トムソン・ホールは商業施設が立ち並ぶトロント中心部にあります。一面ガラス張りで鳥かごをひっくり返したような外観。
ロイ・トムソン・ホール1階ロビー
当日の天気は曇にもかかわらず内部は屋根と壁側から光が差し込むためとても明るく実際以上に広く見えます。また、各所にテーブル席がありコンサート開始までゆったりと外で待つことが可能です。ただ、トイレの位置については細く入り組んだ階段を降りた場所に男女別の入り口が並んでいるため大混雑しやすくお互いの列が入り口を塞いでしまう構造。アクセシビリティの観点からは設計ミスでは?と感じました。
曲目
- Jordan Pal: Iris
- Schumann: Piano Concerto
- Chopin: Nocturne Op.48 1 (encore)
- Bartok: Concerto for Orchestra
今回のコンサートで一番の収穫だったのはピアニストのヤン・リシエツキ氏。若干23歳のカナダ人ピアニストで演奏を聴くのは初めてでしたが、第一楽章冒頭から小気味好く音を響かせつつも力強さとのバランスが取れた非常に心地よい演奏を聴かせてくれました。
また、本人も終始オーケストラの演奏を楽しんでいるような姿勢でピーター・ウンジャン氏そしてオケの面々とのコミュニケーションも素晴らしかったと思います。トロントの聴衆に愛されているようでアンコール前には声援に対して「アンコール曲楽しんでね!」と返答する余裕も。
私事ですが、カナダを代表するオーケストラと才能溢れるピアニストの演奏を聴いて、今の仕事を辞めて次のステップに進もうという決心の後押しもされた気がしました。
シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品54
ロベルト・シューマン唯一のピアノ協奏曲。ピアノの勢いある序奏からはじまり、ゆったり語りかけてくるように展開、途切れなく第二楽章から第三楽章へ移り変わります。特に第三楽章の喜びを讃えるようなピアノの旋律が素晴らしいです。
過去の名演としてはリヒテルとワルシャワ・フィルの演奏が好きですが、本コンサートの後にはヤン・リシエツキ氏とサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の演奏を繰り返し聞きました。
また、シューマンではないですが、アンコールで演奏したショパンについてはトロント響がTwitter公式アカウントで以下を紹介していました。